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今回の本は『ま、いっか!』(作 サトシン/絵 ドーリー/えほんの社)です。
朝、目覚まし時計が鳴らずに寝坊してしまった朝。降りるはずのバス停を、うっかり乗り過ごしてしまった日。そんな「あちゃー」となる瞬間、あなたならどんな顔をするでしょうか。
この絵本の主人公、テキトーさんは、どんなハプニングが起こっても顔色ひとつ変えません。寝坊しても、バス停を間違えても、涼しい顔で一言、「ま、いっか!」。まるで魔法の呪文のように、その一言ですべてを丸くおさめてしまうのです。
正直なところ、読みながら「そんなに簡単に割り切れるものかな」と、思わずクスッと笑ってしまいました。私はどちらかというと、小さな失敗をいつまでも引きずってしまいます。忘れ物をした日は一日中そのことが頭から離れず、些細な一言に傷ついて夜になってもモヤモヤ…なんてこと、よくあります。だからこそ、テキトーさんの潔いまでのポジティブさには、素直に「見習いたいな」と思わされました。
とはいえ、です。もし本当にテキトーさんのような人が身近にいたら、周りの人は結構大変かもしれません(笑)。約束の時間に遅れても「ま、いっか」、忘れ物をしても「ま、いっか」。フォローする側からすると、「いやいや、ま、いっかで済ませないで〜!」とツッコミたくなる場面もきっと多いはず。そんな、ちょっとやりすぎなくらいのテキトーさんの姿が、逆に愛おしく思えてくるのも、この絵本の不思議な魅力です。
読み終えたあと、肩の力がふっと抜けるような、そんな一冊です。完璧を求めすぎて疲れてしまった日や、小さな失敗をくよくよ考えてしまった夜に、そっと開いてみてほしい絵本。子どもだけでなく、真面目に頑張りすぎる大人にこそ、テキトーさんの「ま、いっか」という魔法の言葉を、少し分けてもらいたくなります。
