食道がんは、約半数が食道の中央付近に発生しますが、多発する場合もあります。食道がんは男性に多く、年齢別でみると、50歳代から増加を始め、70歳代でピークを迎えます。
種類としては、日本人に多い扁平上皮がんと、欧米人に多い腺がんがあります。扁平上皮がんは、飲酒と喫煙に強い関連があり、特にアセトアルデヒドの分解に関わる酵素の活性が遺伝的に弱い方(お酒を飲むと顔が赤くなる方、または以前に顔が赤くなったことがある方)は危険性が高まることが知られています。
さらに喫煙と飲酒の両方をされている方は、より危険度が高まり、熱いものを飲食することも危険度を高めるとされています。一方、腺癌は、逆流性食道炎やバレット食道などの食道の慢性炎症を背景としており、欧米では食道がんの半数以上を占めていて、近年では、食生活の欧米化や肥満の増加に伴い、日本でも増加傾向にあります。