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膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)|調布駅徒歩2分の内科・消化器内科 - 調布消化器内科・内視鏡クリニック

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)

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1.IPMNとは

膵臓には膵嚢胞性腫瘍とよばれる病気がありますが、このうち最も頻度が多く、代表的なものが、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)と呼ばれるものです。嚢胞とは内部に液体を貯めた袋状のものを指します。袋の内面が腫瘍性細胞で被われている場合、膵嚢胞性腫瘍といい、この膵嚢胞性腫瘍は悪性化する恐れがあるので注意が必要です。

2.IPMNの診断

非常にゆっくりと進行するため、ほとんどの場合、症状はありません。ただし、粘液によって膵液の流出が妨げられたり、病変が大きくなったりすれば、腹痛や背部痛を自覚することがあります。また、膵炎や糖尿病を併発することもあります。
血液検査では膵臓の酵素であるアミラーゼが高値を示すことがあります。また腫瘍マーカーであるCA19-9やCEAの上昇はがん化を診断する上での一助となります。
最近では検診の超音波検査、あるいはCTやMRIで偶然に発見される機会が増えています。

3.IPMNの種類

IPMNは大きく分けて3つのタイプがあります。膵臓の中には膵管という細い管がありますが、膵管の枝に発生するタイプを分枝型IPMNと呼びます。時に嚢胞が多数重なり合って、あたかも葡萄の房状に見えることがあります。
一方、膵管本幹から発生するものを主膵管型IPMNと呼びます。粘液により膵液の流れが悪くなり、主膵管が全長にわたって、太くなるのが特徴です。IPMNは一か所だけでなく、膵臓のいたるところに発生することがあるので、分枝型と主膵管型が併存した、混合型IPMNというものもあります。

4.IPMNの経過

良性から悪性まで色々な段階があり、ゆっくり進行すると言われています。ほとんどのIPMNは良性のものですが、稀に悪性化するものがあるので、その所見があるかどうか判断することが必要です。

① 分枝型IPMN

主膵管と交通する分枝が5mm以上に拡張している場合をいいます。悪性の頻度は低く、悪性化の頻度も年率わずか2~3%といわれています。しかし、嚢胞の大きさが3cm以上であったり、嚢胞の中に腫瘍状の結節が見られたり、あるいは嚢胞壁が厚くなっているような場合は悪性の可能性が高いことが報告されています。また、嚢胞が短期間に急激に大きくなった場合も注意が必要です。

② 主膵管型IPMN

主膵管が5mm以上に拡張している場合をいいます。分枝型IPMNと異なり、悪性の頻度が高いため注意が必要です。とくに、主膵管の太さが10mm以上の場合はハイリスク群と考えられ、外科手術が勧められています。主膵管内部に腫瘍状の結節が認められた場合には、がんの可能性がさらに高くなります。

③ 混合型IPMN

分枝型IPMNと主膵管型IPMNに準じます。

5.当院での対応

大部分のIPMNは良性ですので治療を要しませんが、定期的なフォローアップは必要です。当院では随時、エコーや血液検査等でのフォローを行っています。また、必要に応じて提携する医療機関でのCTやMRI検査を依頼いたします。