大腸がんは、大腸(結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、大きく分けて、腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと、直接がんとして発生するものがあります。大腸がんは、40歳代から増加し始め、50歳代で顕著に増加し、高齢になるほど罹患率が高くなっていきます。現在、全てのがんの中で、大腸がんの罹患率は最も多くなっています。
大腸がんの危険因子としては、肥満、運動不足、加齢、アルコール摂取等が挙げられます。欧米のデータでは、大腸がんの血縁家族の方がいると、危険度が3倍近くになるといわれています。
日本人では、約60%の大腸がんがS状結腸と直腸にがんができ、肛門に近い側の大腸が好発部位とされていますが、食生活の欧米化などにより、それよりも口側の上行結腸や横行結腸に発生する頻度が増えてきています。
大腸がんは、大腸粘膜に発生しますが、次第に大腸の壁に深く浸潤し、進行すると大腸の壁の外まで広がったり、腹腔内に播種したり、大腸の壁の中にある血管やリンパ管の中に入り込み、その流れに乗ってリンパ節や他臓器に転移することがあります。