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内視鏡検査と鎮静剤|調布駅徒歩2分の内科・消化器内科 – 調布消化器内科・内視鏡クリニック

内視鏡検査と鎮静剤

今回のテーマは内視鏡検査の際の鎮静剤についてです。患者さんとお話をしていると、こんな質問を受けることがあります。“ここのクリニックは全身麻酔で胃カメラしてくれますか?”  “つらい検査はイヤなので、全身麻酔をしてほしい。前は全身麻酔をしてもらいました。”

誤解されている方も多いのですが、実は全身麻酔をして、胃カメラ、大腸カメラを行っている医療機関は日本ではほとんどありません。(※内視鏡手術の際には全身麻酔を行うケースはあります。)

全身麻酔は以下の3つの要素があります。

① 鎮静(Sedation) 意識をなくすこと。鎮静剤を使用します。

② 鎮痛(Analgesia) 感覚を喪失させること。痛み止め(鎮痛剤)を使用します。

③ 筋弛緩/不動化(Immobilization) 神経筋遮断薬(筋弛緩薬)を使用します。呼吸も止まりますので、人工呼吸が必要になります。

この3つを満たして全身麻酔となる訳ですが、筋弛緩薬を使用し、呼吸を止めて内視鏡を行うのはリスクも高いですし、保険適応もありませんので、行っている施設はほとんどないのが実情です。

胃カメラの検査は喉に内視鏡が通りますので、咽頭反射が起きて、つらくなります。(オエっとなるやつです。)鎮静剤を使用することで、意識をなくして、その反射を抑えてあげると楽に検査が受けることができます。また、咽頭反射を抑えると、食道、胃、十二指腸の観察がしやすくなるので、質の高い検査が行うことができます。当院ではミダゾラム、プロポフォールという鎮静剤を使用し、苦痛をできるだけ低減した検査を行っています。

大腸カメラは咽頭反射は起きませんが、大腸に癒着がある方(お腹の手術をされている方や憩室がある方に多いです)、小柄で痩せ型の方は“痛み”が出やすいです。当院では痛みが起きにくい内視鏡の挿入方法を行うとともに、鎮痛剤/鎮静剤の使用しています。

鎮静剤の必要量には個人差があります。同じくらいの体格の方でも、“効きやすい人” “効きにくい人”が存在します。当院ではそれぞれの患者さんに応じて、薬剤の使用量を調節しています。また、鎮静剤の使用は呼吸抑制等のリスクを伴いますので、常にバイタルのモニタリングをしながら、検査を行っています。